このサイトは18歳以上の方のみご利用いただけます。
あなたは18歳以上ですか?
「ふぅ……」
慣れ親しんだベッドにごろりと転がり大きくのびをする。するといままで痛みを感じたことのないところからビリビリとした痺れを感じた。使ったことのない筋肉が悲鳴を上げていますねこれは。
あのあと俺はリビングを軽く掃除し、意識を失った命さんをソファに寝かせてから自分の部屋に戻った。目を覚ました彼女が正気に戻るんじゃないかという不安はあるがいまさらそんなこと思ってもしかたない。催眠状態はとっくに切れてるし、なによりやってしまったものは取り消すことができない。
セックスの後も催眠をかけられる時間が残っていたので念のため新しい暗示は仕込んでおいた。効果が残っていれば次回以降もなんとかなるだろう。
取りあえず今は別の問題に取り掛からねば。
「さっきステータスとキャラがどうこうって言ってたな」
VDを開くと『ヒロイン』『拠点』『ステータス』それぞれの右上に赤い点がついていた。なにか更新されたようだ。
『ヒロイン』を押すとソシャゲでよくあるキャラクターのアイコンが並んだ画面が表示された。ほぼ全てのアイコンが「?」となっているが、最初の一つだけ顔写真が表示されている。命さんの顔だ。
「なるほどな……」
攻略したヒロインはここに追加されていくってことか。だからまだ命さん一人しか表示されていないのだろう。
命さんの顔写真をタップするとヒロイン詳細画面が表示された。年齢や生年月日といった情報が表示されている。
「おいおい、どうやって調べたんだよ……」
運営の謎の調査力に呆れながらも画面をスクロールさせ命さんの情報を見ていく。
『弘前命』
年齢:28歳
生年月日:9月6日
配偶者:あり
子供:息子1人
・プロフィール
結婚7年目子持ちの専業主婦。旦那さんは2つ年上、学生時代からの先輩らしい。
大学卒業時に妊娠が発覚し出来婚。彼氏の収入がいいこともあり社会に出ずにそのまま専業主婦へ。
息子はおとなしくあまり手がかからない。
【第一陥落 公開情報】
・身長:165cm
・スリーサイズ
B:100cm Hカップ
W:66cm
H:90cm
・性的趣向
自己の強さ:低
他者への隷属:高
SMレベル:ややM
性癖:愛されること、強引に求められること
弱点:子宮口
攻略難易度:低
・プロフィール2
旦那に良き妻、良き母として過ごすことを望まれている命はその期待に忠実に応えている。彼女の要領の良さもあいまって普段の家事はあっという間に終わっており、昼間はやることがなく暇を持て余している。
そんな命の唯一の暇つぶしとなっているのがオナニーだ。家事が終わった後の昼間はもっぱらオナニーをして過ごしている。30歳が近づくにつれより強くなっていく性欲に反して旦那から身体を求められなくなってしまった。
そのため彼女は男性からの愛情と性欲に飢えており、女として求められたいという願望を胸の奥底に抱いている。
「お、おう……」
思ったより詳細な情報まで載っていた。俺が彼女から直接聞いた話もあれば全然知らなかったエピソードまで書かれている。
「というかプロフィール2の方は本当にどうやって調べたんだよ」
ストーカーでもしてないとわからないだろこんなの。VDの運営は人の生活を覗き見るのが好きな変態なのか?
「ん?まだ見られない情報があるな」
ヒロイン情報の下の方には「第二陥落後に閲覧可能」「第三陥落後に閲覧可能」と書かれて読めない部分があった。
「そういえばなんちゃら陥落ってどっかに書かれてあったな」
チュートリアルに書かれてあった陥落についての説明を思い出す。ヒロインの攻略には第一陥落、第二陥落、第三陥落の三段階があるんだっけか。
命さんとのセックスの後に流れた機械音声は『第一陥落を確認』と言っていた。つまり一段階目は完了したってことだな。
「ふーん、じゃああと一回でも命さんを陥落させれば第二段階まで堕ちるのか」
俺はソシャゲなんかじゃ手に入れたキャラクターの育成をちゃんと終わらせたい派だ。命さんには第二・第三陥落を解放する為にもまた会いに行こう。
大体の情報は見終えたので次は『拠点』を開いてみる。画面のレイアウトはヒロインのものと似ていて、四角いアイコンがずらっと並んでいた。
こちらも「?」になっているものばかりだが一つだけ名前とアイコンが表示されている拠点があった。
「十和田マンション……」
まさにいま俺が住んでいるこのマンションだ。よく知っている名前だがゲームの中にでてくるとなんだか違和感があるな。アイコンをタップするといくつかの情報が表示され、その中には命さんの顔写真もあった。
『十和田マンション』
制圧必要人数:3人
攻略中ヒロイン:弘前命(1/3)
(*第二陥落以上で攻略完了となります)
攻略ボーナス:『未公開情報』
制圧後獲得スキル:『未公開情報』
【詳細情報】
最寄り駅からバスで15分の新築マンション。2LDKや3LDKなど家族住まい用の部屋が大多数を占めているが一人用もわずかに存在する。
「おぉ……なんてことはない普通の建物なのにRPG風な説明がついてる」
自分が住んでいるマンションのことなんて普段気にも留めていないが第三者視点の文章として読むと中々興味深い。
「いや、そんなことよりもっと大事な情報があるな」
一番重要なのは拠点を攻略するための情報だ。見ると制圧必要人数は3人となっていた。命さんの横についてる(1/3)は第一陥落まで終わっているって意味だろう。
「つまり三人のヒロインを第二陥落させれば拠点制圧か?割と簡単だな」
第一陥落があれだけ容易だったのだから第二陥落もそんなに難しくはないだろう。そう楽観的に考えていた俺だったがふと前提条件を間違えていることに気が付いた。
「命さんは催眠状態でなんでも言うことを聞いてくれたからあんなに簡単だったんだよな……冷静に考えたら普通の女が初対面でセックスさせてくれるわけないじゃん」
このマンションに住む良く知らない女をあと二人も堕とさないと拠点の攻略は終わらない。そう考えると急に先行きが不安になってきた。
なんなら命さんの攻略も今後は催眠なしで挑むことになるしな。うん、前途多難だ。
「なんか超強いスキルに目覚めてたりしないかな……」
現実逃避をかねてステータスの画面を開いてみる。なにやら色々と設定項目がある。その中でも俺の目を引いたのはその中にあった【スキル】だ。
「おぉ、スキルあるじゃん」
このゲームにあるかどうかも知らずに言った世迷言だったのだが本当にあって逆にびっくりしてしまった。違うよ、既プレイじゃないからね。
と、ともかくスキルシステムがあるというのは俺的には嬉しい知らせだ。自分の好きなスキルを選べるとなお良いのだが。
項目をタップしてみるとスキルの一覧が開いた。ゲームでよく見るスキルツリーのようになっているが、中心に表示されている一つを除いてほぼ全部のスキルが「?」になっており詳細は見ることができない。
「なんだよ、次にどのスキル取ろうかな~って悩めないじゃんか。いや、それともこのスキルから派生していく感じなのか?」
これが大本になるのか?どんなスキルなのか見るために真ん中に表示されているそれをタップしてみる。すると画面上にルーレットが現れぐるぐると周り始めた。
説明文には【初期スキルはランダムに決定されます】と書かれている。つまりこのルーレットの結果によって俺が最初に得るスキルが決定するということだ。
「アタリ来い!ゲームバランスぶっ壊れるぐらいの環境スキルこいっ!!」
競馬の最終直線を見るおっさんのごとき熱量でルーレットの行方を見守る。やがて回転がゆっくりと止まっていき、ルーレットの針はとある一つのスキルを指した。
『催眠説得』
プレイヤーによる説得が【親友】による説得と同程度の効力を発揮する
Lv1:下記条件が適用される
・身体接触をしている間のみ効果が発動する
「ん、んん?」
催眠という文字を見てぐっと上がったテンションが行先を見失ってふらふらと空中を漂っていった。
(これ、強いか?)
このサイトは18歳以上の方のみご利用いただけます。
あなたは18歳以上ですか?