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十和田さんをイライラさせて秘密のストレス解消法を探る。そう決めた次の日から俺は全力でマンションを荒らし始めた。もちろん常識的な範囲でだ。
まずは小手調べ、ゴミを収集日と全く関係ない日に出してみる。やっているのが俺だとバレると最悪退去させられそうなので夜中にこっそり捨てに行こう。
「ぐっ、いったい誰よっ!!プラごみの収集日によりにもよって生ものたっぷりの燃えるゴミを捨てたのは!!」
キレ散らかした十和田さんが叫ぶ。そりゃ怒りますよね。すみません、反省するつもりはありませんが心の中で謝ります。
彼女はカンカンに怒りながらも、結局生ごみを持ち帰り収集日まで冷房をつけた管理人室に置いておくようだ。
(まだ夏真っ盛りだからなぁ。虫が湧かないように自分の部屋に置いて冷やすだなんて偉いなぁ)
自分がやったという事実は置いておいて彼女の真面目さを称える。なかなか出来ることじゃないよ。さて、では次に行こう。
お次は水攻めだ。あくる豪雨の日、俺はレインコートを羽織り傘を持って出かけた。ただし傘は持つだけでささない。
そしてマンションに帰ってきた時にエントランスで思いっきりコートと傘の水を払った。
エントランスは入り口から進んだところにあるため雨の日でもあまり濡れない場所だ。
常識的な住人なら入り口で水気を切るので水たまりはまず出来ないそこを俺は床がびしょびしょになるまで濡らした。
彼女にバレないよう急いで逃げていると後ろから怒声が聞こえてくる。
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ!!!なんで屋根があるのに濡れてるのよ!!入り口で水を払うことなんて小学生でも出来るでしょ!?」
いや全くもってその通りです。ごめんなさい。
顔を真っ赤にした十和田さんはぐちぐちと文句を言いながらもモップで水を拭いていた。
なんて真面目な人なんだろう。管理人としての仕事をちゃんとこなしてとても偉いなと素直に感心してしまう。
(なんか悪いことをしてる気分になってきちゃったな……)
ふと冷静になると自分が酷い人間のように思えてきた。なにも悪いことをしていない人を悪戯に振り回すなんて最低じゃないか?
ぶるぶる頭を振ってその考えを脳から追い出す。俺はただ十和田さんの弱みを握りたいだけだ。決して悪意を持ってイジメているわけではない!
それに彼女を堕とした後はこれまでずっと我慢してきたことを好きなだけやらせてあげるつもりなんだ。したいことを出来るようになれば窮屈な今よりずっと生きやすくなるハズ。
(だから早くイライラが限界を超えてくれ!)
そう祈りながらも俺はありとあらゆる嫌がらせを続けた。すると日に日に十和田さんの機嫌は悪くなり気性も激しくなってくる。
住人達は彼女と目が合ったら殺されると言わんばかりに常に下を向いて建物の中を歩く。独裁国家のような圧政が無辜の民たちを苦しめている……!王よ!一刻も早く己を解き放つのです!
一週間続けても十和田さんの弱点は見えてこなかった。これでもまだ限界じゃないのか?マンションの空気が最悪を通り越しているからそろそろ止めたいんだけど。
もっと悪質な嫌がらせをした方が良いのかと考えているとどこからか大きな音が聞こえてきた。
「ん?なんの音だ?もう夜中だぞ?」
玄関のドアを開けて音の方角を確かめる。どうやら管理人室の方角のようだ。足音を忍ばせて近づいていく。
入り口のすぐ傍まで来ると中からはがちゃんっ!ばたんっ!という物がぶつかるような音が響いて着ている。
(oh……かなりキてるな……)
内心ビビリながらも中の音を確かめるためにそっと聞き耳を立てる。
「はぁ……はぁ……うああああっ!!!イライラするっ!!!」
ドア越しなのに烈火のような怒りが伝わってくる。どうやら部屋の中では十和田さんが暴れているようだ。物にあたってストレスを解消しようとしているらしい。
(ひぇ~、怖い怖い)
もし全ての犯人が俺だとバレたら誇張なしに殺されてしまいそうだ。
「クソっ!なんでこんな急に治安が悪くなってんのよ!!」
どんっと鈍い音がする、壁か何かを蹴ったのか?
「住民達が結託して私に嫌がらせしているの?いや、すれ違った時のあいつらは自分が犯人だと思われないよう私を避けていた。私を貶めるのが目的ならむしろニヤニヤしながら見てくるはず」
怒りに吠えながらも分析を進める十和田さん。あれ?意外と冷静だぞ?あまり考えられると犯人がバレそうなので勘弁してほしい。
「となると犯人は一人……?一人でこんなことしてるの……!?ふざけんなっ!見つけたら殺してやるっ!!」
ドンッ!!
(うわぁ、今度は殴ってる。ぜったい穴空いてるよ……)
怒り心頭の十和田さん、とても恐ろしいがこれも狙い通りだ。彼女はこれまでにない程イライラしている。
普段は誰かがミスをしたらすぐ見つけて注意しているので、ここまで連続してトラブルが起きたことはなかったはずだ。
でも今はやっかいなトラブルがほぼ毎日起きている。しかも犯人は未だ誰なのか、一人なのか複数人なのかすらもわかっていない。
これは相当メンタルにキてる、あとは彼女がどこまで耐えられるのか……
「……はぁ、駄目ね。一度スッキリしないと冷静に考えられないわ」
そう言うと何やらごそごそと物を取り出す音が聞こえてきた。
これは……もしや限界が来たのでは……?ドアに耳を押し当てて中の様子を探る。しゅるしゅるという衣擦れの音、着替えているようだ。彼女のストレス解消法をするためには特定の服を着る必要があるのか?
(ちっ、中でやるつもりか?カメラでも仕掛けておけばよかったな)
音を立てないようにドアを開けるべきか葛藤しているとこちらに近づいてくる足音が聞こえてきた。十和田さんが部屋から出ようとしている。
(っ!こっちに来る!)
忍び足で素早く入り口から離れエントランスの曲がり角に隠れた。そのあとスマホのビデオ録画をONにして少しだけ角から出す。こうすれば顔を出さなくても入り口の様子が見られる。
カメラの映像が映し出されたスマホの画面を見ていると、管理人室の入り口が開き中から人が出てきた。しかし俺は十和田さんであるはずのその人物を彼女だと断定できなかった。なぜなら――
(なんで夜中なのにサングラスかけてるんだ?しかも帽子まで被って)
彼女が大きなサングラスとマスクをつけた上で深く帽子をかぶっていたからだ。しかも真夏なのに厚手のコートを羽織っている。
いかにもこれから疚しいことをしますよとでも言うような服装だ。まさか強盗にでも行くのか?
流石に法に触れるようなことをされると原因を作った俺が気まずいからやめて欲しいのだが。
(……!いや待てよ……?)
ある予想が脳裏をよぎった。夜遅くに女性が出かける、コートとマスクとサングラス。これらから導き出される解が一つだけ思い当たる。
俺の予想が当たっていれば十和田さんは外に出かけるはずだ。
(行先は……たぶん公園か?)
そんな俺の考えを読んだかのように彼女はマンションの入り口に向かって歩き始めた。
きょろきょろと辺りを見渡し誰もいないことを確認すると十和田さんは足早に歩き始めた。
なるほど、俺の予想通りなら確かにこれは極上の”秘密”だな。スマホの録画がちゃんと起動しているのを確認した俺はこそこそと彼女の後を追った。
◇
思った通り十和田さんが向かっていたのは近所の公園だった。なるほど、ここか。一体どこの公園に行くのかと思っていたが確かにここなら腑に落ちる。彼女の目的からするとこの公園はベストプレイスだ。
ここは面積が広い癖にライトが少なく夜になるとほぼ真っ暗になってしまうことで有名だ。周囲には木が沢山生えており中の様子が一望できず、中で何が起きても外から発見することは出来ない。
そのため暗くなった後は危ないためほぼ人が寄り付かない、いるとしたらやましい目的を持った奴ぐらいだ。そういう危険な場所だとこの辺りの人は皆知っているため用がない人は夜間に決して近づかない
普通の人なら暗くなったら寄り付かない場所であるこの公園は、しかしある目的を持った人からするとここは理想的な舞台へと変貌するのだ。
これは実際に入った人間しか知らないことだが、入ってしばらく行くと一つのベンチがある。このベンチは一見すると公園内にある他のベンチと変わりがない。しかし暗くなるとその特異さがはっきりとわかるようになっている。それは明るさだ。
ベンチのすぐ横に街灯があり、そこだけ座っている人がはっきりと見えるぐらい明るいのだ。あそこに座るとまるでステージの上でスポットライトを浴びているかのような感覚を覚えてしまいそうだと始めて見た時に俺は思った。
真っ暗な夜の中で明らかに目立つ場所、普通の感性を持った人間なら他人から丸見えになるそんな場所には近づかないだろう。だが十和田さんの目的地はあそこだ。彼女の目的からするとあそこしかない。
あのベンチは自らの身体を露出させるに最高の場所なのだ。
(よし、何事も起きずにここまで来れた)
十和田さんは目的地に到着したようだ。明るく照らされたベンチの前に姿が見える。
こちらからは彼女の様子が丸見えだが、あちらからは真っ暗な中にいる俺の姿は一ミリも見えない。安心して眺めることにしよう。
ベンチの上に立った彼女がばっとコートの前を開くと中からは一糸まとわぬ裸体が現れた。灯りに照らされた白い肌がなまめかしい。
せっかくの裸体なのでよく観察してみる。バストはそこそこの大きさ、手に収まるくらいだ。カップ数なんて詳しくないがDくらいか?
ウエストはくびれていてヒップはそこそこデカイ。ただ尻の大きさよりは深く生えそろった陰毛の方に目が行く。普段のキチッとした服装と比べるとどことなく下品な感じがする身体だ。
服を脱ぎ捨てた十和田さんはベンチに座り込むと様々なポーズを取り始めた。ガニ股、胸強調、セクシーポーズ、彼女が卑猥だと思うポーズを一通りやっているみたいだ。ただ見ているだけじゃもったいないので十和田さんがポーズを取るたびにこちらもシャッターを切る。これを見せたら彼女も顔面蒼白になって喜んでくれるに違いない。
やがてポーズ取りに飽きると今度はM字に足を広げて股間の肉裂をくちゅくちゅといじりはじめた。フィニッシュのオナニータイムに入ったみたいだな。ここからは動画で撮ろう。
「っひ……あぁっ……ほぉっ……」
遠く離れた木の陰にいる俺にも彼女がかすかげに上げる喘ぎ声が聞こえてきた。録画にちゃんと音が入ってるかな?帰ったら確認しないと。
しらばく見ていると十和田さんはびくびくっと痙攣し顔をのけ反らせて少し大きな叫び声を上げた。どうやらイッたみたいだ。
絶頂の余韻から戻ってきた彼女はコートを羽織りなおすと濡れたベンチを拭くこともせずそそくさと公園に入り口に向かって走っていった。賢者モードになり冷静さを取り戻したことで誰かに見られるのが怖くなったのだろう。残念、最初から見ているやつがここにいました。
これで彼女の弱みはしっかりと握ることが出来た。後は写真と動画を使って十和田さんを脅し、無理矢理関係を持てれば第一段階クリアだ。
「でも単にセックスするだけじゃつまらないな」
折角だから十和田さんにも楽しんでもらおうか。脳内で彼女に相応しいプレイを考え、そして思いついた。
これならきっと彼女も喜んでくれるだろう、脳内に浮かぶ十和田さんの痴態は俺の息子をガチガチに屹立させた。
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