いきしちみ

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1-18♡.心を壊す悪夢

 カッカッカッ、ガチャ

「ただいまー」

「あらあなた、おかえりなさい」

 夜19時、一人の男が202号室に帰ってきた。この家の主である白石だ。玄関をくぐるとリビングから愛する妻の声が彼を迎えた。

「ちょうどご飯が出来たところよ。一緒に食べましょ」

 微笑みながらエプロンを外す彼女、日常を象徴するそんな姿に彼の身体から一日の疲れがゆっくりと解けていく。

「あぁ、もうお腹ぺこぺこだよ」

 ジャー、カチャカチャ、キュッ

「ふぅ……」

 最後の皿を乾燥機に入れる。洗い物を終えた彼は妻がくつろぐソファに腰を下ろした。

「お皿洗ってくれてありがとう、あなた」

「ご飯を作ってもらってるんだから当然だよ」

 穏やかに笑い合う二人。白石は己の妻をあらためて見る。
 白石麻実。元会社の同僚でいまは専業主婦をしてくれている。
 いつも傍にいてくれる愛する妻。彼女がいてくれるだけで忙しい毎日も決して苦にならない。

「そういえば今日、十和田さんが来たのよ」

「管理人の?なにか用だったのか?」

「それが他の部屋に空き巣が入ったそうなのよ。だから全部の部屋の様子を確認しているんだって」

「それは怖いな……」

 昼間は自分が会社にいるため家には麻実ひとりきりだ。そんな時に空き巣が入ってくるかもしれないと思うとぞっとする。
 彼が神妙な顔で黙っていると麻実が緊張をほぐすように笑いかける。

「でも安心して。十和田さんが業者の人・・・・を呼んでくれてね、防犯についてよく見てもらったの。だからきっと大丈夫よ」

「そうか、それなら安心できるな」

 そう返答しながらも彼の頭の中では思考が回り続けている。いくら問題がないとはいえ被害があったところに住み続けるのはやはり不安だ。
 なにかきっかけがあればここから出ていきたいんだが……そう悩む彼の頭にある考えが浮かんだ。

「なぁ麻実、ちょうどいい機会だと思ってここから引っ越さないか?」

「え?」

 驚く妻の手を握って彼は真剣な顔で以前から考えていたことを告げる。

「そろそろ俺たちの子供についても考えていいと思うんだ。家族が増えるといまの家じゃ少し手狭になると思ってなかなか言い出せなかったんだけど……」

 渇く口を必死に動かして言葉を紡ぐ。しだいに彼女の目がうるうると潤んでくる。

「だけど安全に不安が出てきたんだったら、ちょうどいいタイミングじゃないかな」

「あなたっ……!」

 声を震わした麻実が勢いよく彼に抱きついた。回した腕でぎゅうっと強く抱きしめるため彼女の胸が白石の身体に強く押し付けられる。

「私もそろそろ欲しいと思ってて……でも仕事で忙しそうなあなたを見ると言えなかったの……ごめんなさい……」

「いいんだ、俺も切り出せなかったから」

 泣きながらも嬉しそうにしている彼女に優しく口づけをする。ゆっくりと顔を話した彼は少し照れくさそうに頬をかいた。

「久々にどうかな、今夜……?」

 遠まわしに夜のお誘いをする白石に彼女は申し訳なさそうな顔をしながら首を横に振った。

「ごめんなさい、ちょうど昨日から月のものが始まってしまって……」

「あぁ、うん。そういうことならいいんだ」

「終わったらまた誘ってくださいね」

 ほんのり頬を染める麻実の顔に股間が大きくなるが彼は理性で必死に留めた。ごほんと咳払いをすると立ち上がって興奮を誤魔化すように大きな声を出す。

「さ、さて!じゃあ俺は風呂に入ってこようかな!」

「ふふふ、もう温まってますよ。ゆっくり入って来てください」

「あぁ、じゃあ先にもらうよ」

 くすくすと笑う彼女を背に彼はリビングを後にした。

 リビングに残った麻実。彼の背中が浴室に消えるのを見届けると、彼女は優しい妻の顔を崩しニタリとした笑みを浮かべた。

「子供が欲しい、そう思ってくれていたんですね、あなた。私も欲しいです、との赤ちゃん……♡」

 深夜。寝ていた白石は物音に目を覚ます。

 ちゅっ……ちゅる……じゅっ……

(んっ……なんの音だ?)

 音が聞こえてくる方に顔を向けようとする彼だが何故か一ミリも動かせない。

(な、なんだ!?金縛りか!?)

 慌てて起き上がろうとしても身体がガチガチに硬直しており指先をピクリとさせることも出来なかった。

(くっ……何が起きているんだ……っ!そうだ、麻実!麻実は無事なのか!)

 隣に寝る妻の姿を見ようと必死に眼球を動かす。目が痛むのを気にせず限界まで横を見ると視界に彼女の姿を捉えた。

(よかった、麻実も無事なようだな。だけどなにかおかしいような……)

 ぼんやりと見える彼女はやけに肌色が多い。自分と同じように仰向けで寝ていたはずなのになぜかうつ伏せになっている。
 それに一人の身体にしては視界に写る肌色がやけに大きい。まるで人間が二人いるような……

 じゅるっ……ぐぽっ……ぶじゅっ……

(っ!またあの音だ!)

 先程の音が再び聞こえてきた。耳を澄ませると麻実がいる方向から音がしている。なぜ彼女がいる方から聞こえてくるのか不思議に思っていると、急に音が止み白石の耳に聞きなじみのある声が聞こえてきた。

「ずるるるっ……じゅぽっ♡……はぁ、本当に立派ですね、旦那さまのおチンポ♡あの人のとは大違いです♡」

(ま、麻実!!何を言っているんだ!?)

 聞こえてきたのは妻である麻実の声だった。いつのも穏やかな口調はそのままだが彼が聞いたこともないような卑猥な言葉を口にしている。
 白石が頭を混乱させていると再び水音が聞こえ始めた。視界の端で茶髪の頭がまるでベッドに寝転がる誰かに奉仕するかのように上下に動いている。

「ずろろろっ♡じゅるるるるっ♡ぐぽっぐぽっ♡」

 ここまでくれば嫌でも状況は理解できた。自分の隣には仰向けに寝ている謎の男とそいつの股間に顔を埋める麻実がいる。そして彼が誰よりも愛する妻は自分が寝ている隣で他の男にフェラチオをしているのだ。

(ぐっ……麻実!どうしてだ!!)

 不貞を働く彼女に対して白石の心の奥底から黒い炎がメラメラと燃え立つ。激しい怒りを感じながらも彼は頭の中で何度も何度も強く彼女に問いかける
 どうして、どうしてだ。さっきまでいつもと変わらなかったのにどうして。赤ちゃんを作ろうといったら涙を流して喜んでいたのに、どうして!!!

「じゅぽっ♡あの人も勘違いしすぎですよね。あんなに粗チンのくせに私を孕ませるだなんて寝言を言っちゃって♡」

(えっ?)

 ピシリッ、とナニかがひび割れるような音が彼の内側で響いた。先程まで身を焦がすほど燃え滾っていた怒りの熱が冷や水をかけられたように静まっていく。

「劣等種のくせに子孫を残そうだなんて、自分のメスも躾けられない雑魚オスにそんな資格あるわけないじゃないですか♡」

(ま、麻実……?)

 愛する妻の口から出るはずのない自分を嘲るような言葉が彼女の声に乗って聞こえてくる。

「それなのにあんな真面目な顔で『子供を作ろう』なんて言って。吹き出すのを堪えるのに必死でしたよ、旦那さまにもあの滑稽な姿を見せて差し上げたかったです♡」

 自分を見下す彼女の嘲笑が鋭く胸に突き刺さる。己の意思では動かすことができない身体が勝手にガクガクと震え始める。

(や、やめろ……もうやめてくれ……!)

 怒りなどもうとっくに消え去った。あるのは恐怖。自分を傷つける彼女に対する恐怖のみだ。

「じゅううぅぅぅっ……ぷはっ♡旦那さまのおチンポ、ガチガチになりましたね♡次は私のおまんこでご奉仕させていただきます♡」

 麻実は足を大きく広げて中腰になると横にいる男の胸に手をついた。何かを調整するように腰をくねらせていたがやがてピタリと動きを止めて……

 どちゅんっっっっっっっ♡♡♡

「お゙っ♡」

 勢い良く腰を叩きつけた。

「お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙♡♡♡」

 獣のような濁った叫び声が寝室に響き渡る。

「旦那さまのオチンポ♡やっぱりしゅごいぃぃぃぃぃぃぃぃ♡♡♡」

 麻実の口からとろけきった嬌声が迸る。顔を大きく仰け反らせた彼女の口からは舌がべろんとだらしなくこぼれている。

(麻実のあんな声……聞いたことがない……)

「おぅっ♡おぅっ♡おまんこきもちいいっ♡♡♡旦那さまのおチンポでおまんこ突かれるのきもちよすぎですっ♡♡♡」

 ぱんっぱんっと肌をぶつけ合いながら麻実の身体が男の上で跳ねまわる。激しく交わる彼女の股間はぶじゅぶじゅと汚い水音を鳴らしながら淫水をまき散らす。

「ほっ♡ほっ♡旦那さまにごほうしっ♡あの人のカスちんぽとは比べ物にならないつよつよオスちんぽにご奉仕っ♡さいこうっ♡♡♡」

 歌うように男を褒めたたえながら腰を振る彼女。しかし突然動きを止めると男の口元にぐっと耳を寄せる。低い声がぼそぼそと何かを麻実に伝えた。

「ふふっ、わかりました♡」

 弾むような声色の返事が聞こえたかと思うと――

「あなたぁ♡起きてるんでしょ?♡」

 彼が予想だにしなかった台詞が耳に飛び込んできた。
 ビクッと身体を震わせる。いつバレたのかと慌てる彼の視界にいきなり女の顔が現れた。

 顔全体には派手なメイクがほどこされており股が緩そうな印象を見る者に与えてくる。
 ふにゃふにゃと歪む口からはみっともなくよだれを垂れていて、鼻からは興奮でふんっふんっと荒い鼻息が漏れている。
 とろとろに潤んだ目からは発情しているのが丸わかりだ。
 淫売と呼ぶのが相応しいメスの顔、その正体は白石の妻、白石麻実だった。

「ま……み……」

 無理やり動かした彼の喉からかすなに妻の名前が漏れる。

「えぇ♡あなたの妻、麻実ですよ♡」

 にっこりと微笑んだ彼女の口が肯定を告げる。

「自分の妻が他の男とえっちしているのを止めるでもなく盗み聞きしてるだなんて。本当に最低な人♡」

(ち、違うんだ!止めたくても身体が動かないんだ!)

 否定しようとしても言葉が音にならない。ぱくぱくと鯉のように口を開閉させる彼に対して麻実は汚い虫を見るかのように顔を顰めた。

「こんなに言われても一言も返さないなんて情けない。そんなに私が寝取られる姿が見たいならそこで見ていなさい♡」

 そう彼女が言い終えるといつの間にか彼女の後ろに立っていた男が腰を突き出した。

 ずぷぷっ!

「あぁんっ♡旦那さまのおチンポまた入ってきたぁ♡♡私がイキ狂うぐらい突きまくってください♡♡♡」

 おねだりに答えるように激しく腰を振る男。それに彼女の控え目な胸がぷるぷると揺れている。

「あん♡あん♡あぁっ♡♡ねぇあなた♡旦那さまがとってもいい事を考えてくれたの♡♡♡」

 喜悦を浮かべた顔で麻実は告げる。

「さっき子供が欲しいって言ってくれたでしょう?だからその願いを叶えてあげようと思うの♡♡♡」

 救いをもたらす女神のような笑顔。なのにその口元だけが悪寒を感じるほど邪悪に吊り上がっている。

「私、いまから旦那さまに種付けしてもらうの♡♡♡おっ♡♡おっ♡♡だからもし私が彼の赤ちゃんを孕んだらあなたに育てさせてあげる♡♡♡」

 三日月に開いた彼女の口から悪夢のような台詞が彼に叩きつけられた。ガツンと頭を殴られたようなショックに目の前が明滅する。

「私、あなたのような雑魚オスの精子で受精したくないもの。だからあなたの何倍も立派な男性の子種で妊娠させてもらうわ♡♡♡」

 夫ではない男の種を喜んで受け入れるという彼女。有言実行と言わんばかりに彼らのセックスは勢いを増していく。

 どちゅっ♡♡♡どちゅっ♡♡♡どちゅっ♡♡♡

「おぅっ♡♡おぅっ♡♡旦那さまのおチンポ♡♡♡つよすぎて子宮がつぶれちゃうっ♡♡♡」

 麻実は自ら激しく腰を振って男のチンポを奥深く受け入れている。

「お゙っお゙っ♡♡♡ほらっ♡♡もうすぐ種付けされるわっ♡♡あなたじゃない男に孕まされるのっ♡♡その目でしっかり見てて♡♡♡」

 激しくピストンでぶるんぶるんと胸を揺らした彼女は一気に頂点まで登り詰めた。

「あああああ♡♡イクっ♡♡イクっ♡♡♡イクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ♡♡♡」

 絶叫を上げながら麻実は身体を仰け反らせる。びくびくと震える様子から彼女が絶頂したのがわかった。

(ぐぐぐ、ぐがあああああああ!!!!)

 びゅくっ……びゅくっ……びゅくっ……

 妻が中だしされているのを見て白石もみっともなく射精してしまう。パンツの中に精液が漏れだす。
 白石の股間が湿っていくのを寝巻越しに見た麻実はニヤリと笑った。

「ねぇ、あなた……」

「これからも仲良く夫婦ごっこを続けましょうね♡」

 虫を見下すような彼女の笑顔を見ながら彼の意識は暗転した。

「はっ!!!」

 ばっとベッドから跳ね起きる。枕元の時計を見ると午前7時。いつも起きている時間を少し過ぎてしまっている。

「はっ……はっ……はっ……、なにか酷い悪夢を見ていたような……」

 顔を触ると水を浴びたように濡れている。いや、顔だけではない。全身がびっしょりと汗をかいており濡れた寝巻が肌にぴったりとくっついている。

「どんな夢だったのか……思い出せない……」

 思い出そうとすると頭の奥から自分の悲鳴が聞こえてくる。「やめろ!」「絶対に思い出すな!」そんな叫び声が彼の意識を現実へ押し戻す。

「まぁいいか……取り合えず朝の支度をしないと……」

 洗面所で汗を流してからリビングに向かうと、既に朝食の準備を済ませていた妻の姿が見えた。

「あら、あなた。今日は少し遅かったわね。もうご飯できてるから早く食べちゃってね」

「麻実……」

 呼ばれた彼女がこちらを振り向く。きょとんと不思議そうにしている顔はいつも通りの彼女だ。先程まで胸を苛んでいた悪夢がすぅっと溶けていく。

(そうだ、何を不安になっていたんだ)

 何よりも大切な彼女さえいてくれれば俺は何も怖くない。

「あ、そうだ。あなた、昨日の夜に話した引っ越しのことなんですけど、やっぱりもう少しここに住んでもいいかしら?」

 ドキンと胸が跳ねる。

「え?どうしてだい?」

「最近ご近所の人と友達になったの。その人、すっごく良くしてくれるから離れるのが寂しいのよ」

「その人は……男性かい……?」

「いいえ?女性よ。なに?もしかして浮気を疑ってるの?」

「は、ははは。いやまさか、そんなことはないよ」

 震える声で返事をしながら朝食をたいらげる。スーツに腕を通して玄関から出る直前、麻実が彼に声をかけた。

「あなた、いってらっしゃい」

 いつのも優しい笑顔。何よりも心安らぐものだったはずなのに、なぜか心がざわざわとする。

「いってきます」

 一抹の不安を抱えながら彼は会社へ向かった。

「…………今日もちゃんと帰って来てくださいね、あなた。そしたらまた、夜にたっぷり可愛がってあげますから♡」

 くちゅくちゅとスカートの中で指を動かす麻実。その顔には愛玩動物をいたぶるような嘲笑が浮かんでいた。

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